抄録
本研究は海底土内の移行過程を考慮した東京湾における放射性物質の濃度解析モデルを構築することにより,中・長期的な将来予測を可能として環境アセスメントが実施できる環境を整えることを目的としている.海底土内は3層(P層:粒子層,B層:生物攪乱層,D層:拡散層)に分割し,海水と海底土の相互作用には境界層を設定することによって海水モデルと海底堆積モデルを結合している.このモデルによる計算結果は,実測値との比較から分布形状,海底土内の移行過程の概念には概ね良好な結果を示したが,具体の値では初期の河川流,密度流の影響を受けることが課題としてあげられた.