2019 年 75 巻 2 号 p. I_49-I_54
鹿児島県の大島海峡,長島海峡,黒之瀬戸で密度成層を考慮した潮流の数値計算を行った.潮流の絶対流速は大島海峡では待網岬沖,長島海峡では鳴瀬鼻沖,黒之瀬戸では梶折鼻沖の地点で最大となり,これらの地点の潮流の流速とエネルギー賦存量は夏季よりも冬季に大きい傾向を示した.夏季の流速減少は潮汐エネルギーが海水の密度成層の弱化に消費されていることが原因であると考えられる.潮流発電装置を1機設置場合に抽出できる年平均エネルギーは大島海峡で1.0MWh,長島海峡で4.1MWh,黒之瀬戸で12.8MWhであることを示唆した.