土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.36(特集)
消波護岸上に設置された透過性防波柵による越波の低減効果及び波力特性
古路 裕子中口 彰人鷲巣 勇楳田 真也
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2020 年 76 巻 2 号 p. I_168-I_173

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抄録

 透過性防波柵(以下,防波柵)は主に護岸上に設置し,高潮・高波による越波や飛沫拡散を低減するために利用される.本研究では,幅広い現地の条件に適用するために相対天端高が低い波浪条件での水理模型実験を重点的に実施し,直立護岸及び消波護岸それぞれの場合における,防波柵による越波の低減効果及び波力特性を調べた.その結果,防波柵に作用する波力低減比は遮へい率σ以下,越波低減比は透過率ε+0.2程度に低減されることが分かった.ただし,消波護岸で相対天端高1~1.5付近では,低減比の変動が激しい.消波護岸に到達する波の状態(砕波・非砕波,砕波形式)により防波柵への水塊や飛沫の作用状況が変化し易いためであった.消波護岸上の防波柵への波の作用状況や低減比は,波形勾配や相対水深で整理できることが分かった.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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