2020 年 76 巻 2 号 p. I_330-I_335
沿岸漂砂の卓越する海岸に汀線直角方向に放水を行った際の漂砂の動態を明らかにするために,浜岡原子力発電所の放水流を対象に着色砂調査を実施した.調査は当該海域で東向きの沿岸流が卓越する冬季において実施した.発電所放水口に6.6tの青色の着色砂を投入して,放水口の前面海域と周辺の海岸部で着色砂の出現状況を観測した.この結果,着色砂は岸沖方向には水深7m以浅に分布しており,放水流による砂移動は移動限界水深(hc = 10m)まで到達する確率が低いこと,沿岸方向には投入3日後には観測範囲の東西両端(沿岸方向に約12kmの範囲)まで分布しており,沿岸流による砂移動は早く広範囲に及ぶこと,などが明らかになった.