2021 年 77 巻 2 号 p. I_355-I_360
本研究では,新潟県荒川河口部の出水期を対象として,河口砂州の地形変化に関する再現計算を行った.複数の波浪境界条件を用いて,土砂輸送モデルXBeachによる数値計算を行った結果,地形変化結果が観測値と定性的に符合していた.さらに開口機構を高度に解明するため,再現計算の定量的評価を行った.具体的には,定量的指標であるBSSを用いて,河口砂州の地形変化の再現計算を評価した.結果として,測線箇所や波浪境界条件の違いによって,測線毎に再現性が異なっていたものの,開口部ではBSSの値が概ね0.5以上となっていた.そして,最も再現性が高い数値計算結果から,荒川河口部の開口機構を評価した.その結果,河口砂州で発生した地形変化は,河川流量の卓越により引き起こされた底面シアの急激な増加によることが確認された.