2021 年 77 巻 2 号 p. I_469-I_474
浚渫土や粘性土に転炉系製鋼スラグを混合すると固化する性質を持つが,固化するまでに時間がかかる場合,混合土に上載圧が作用すると圧密を伴いながら固化することが考えられる.既往の研究から,粘性土と製鋼スラグの混合土を一定の上載圧下で養生することでせん断強度が増加することがわかっているが,この要因として考えられる圧密による乾燥密度の増加および含水比の低下と養生時の拘束圧の影響の度合いは不明であった.本研究では,乾燥密度・含水比と養生時の拘束圧が粘性土と製鋼スラグの混合土のせん断特性に及ぼす影響を検討した.その結果,上載圧を作用させて圧密を行いながら養生することによるせん断強度の増加には,養生時の拘束圧の影響は小さく,圧密に伴う乾燥密度の増加および含水比の低下が影響を与えていることが分かった.