2021 年 77 巻 2 号 p. I_475-I_480
杭や矢板等のたわみ性壁体に水平力が作用した際に生ずる地盤反力は,一般に,Winklerばねに置換した検討がされる.地盤の水平反力に関する既往の研究の多くは,杭頭に水平力を受ける場合の変形モードに限定されたものであるが,周知のように,壁体に作用する地盤反力は壁体の変形モードに依存する.本研究では,壁体の変形モードの違いによる地盤反力の変化について,二次元模型地盤を用いた実験により調べた.同一のたわみが生じた際の地盤反力は,浅い区間では直線関係と近似できるが,およそ地盤反力の最大値となる深度以深では,直線とはならない結果となった.このような現象はWinklerばねを用いた手法では評価できない.よって,地盤反力係数は深度方向に一定値とはならず,また,その深度分布は壁体の変形モードによって異なるものであった.