抄録
宇宙飛行士や長期臥床を余儀なくされる患者には筋骨格系に廃用性の萎縮が起こる.この萎縮への対策は宇宙医学と臨床医学における主要な課題の一つである.そこで筆者らのグループは電気刺激を拮抗筋に印加したときに生じる力を主動筋の運動抵抗に利用する,電気刺激ハイブリッド訓練法を提唱した.これは重力が無くても筋力トレーニングが出来ることを意味する.また同訓練法は刺激モードの変更により運動アシストとなる.これまでハイブリッド訓練,運動アシストの有用性を確認してきた.廃用性委縮をもたらす環境,復帰すべき環境は対極関係にあり人間にとって極限環境と考えられる.ここでは極限環境をのりきる方策を紹介する.