2021 年 77 巻 2 号 p. I_505-I_510
細粒分混じり混合砂質土の液状化予測判定は,細粒分含有率(Fc)及び塑性指数(Ip)に応じて補正したN値から液状化強度を予測し行われる.しかし, 細粒分の含有率や物性が補正N値と液状化強度の相関に及ぼす影響を検討した事例は少ない.本研究では,Fcと細粒分のIpが混合砂質土の液状化予測判定に及ぼす影響をより詳細に検討することを目的に,細粒分の含有率,鉱物特性及び粒度を変化させた中空ねじりせん断試験と実物大標準貫入試験を実施した.その結果,現行の基準を用いた場合,Fc≧15%,なおかつ混合砂質土のIpが10未満の場合に液状化予測判定精度が低くなることを明らかにした.具体的には,上述の条件下で含有する細粒分が粘土の場合は液状化予測判定結果が過度に安全側となり,主に非塑性シルトを含む場合は危険側となることを示した.