2021 年 77 巻 2 号 p. I_535-I_540
我が国のRC製消波ブロックは厳しい海象環境における防波堤に用いられる場合が多い.この特性を生かし,波浪の大きなアフリカ北部地域など海外への展開が期待される.一方,RC製消波ブロックの使用実績が非常に少ない海外の場合,ブロックの力学特性だけでなく,塩害への懸念が強く,耐久性に対する定量的な評価が求められる.また,日本と現地のセメントの違いがコンクリートの諸性能(耐久性,熱特性等)に及ぼす影響が明確でなく,結果として,日本国内でのブロックの使用実績が参考にしづらい現状である.そこで本検討では,モロッコ国を主対象とし,現地材料を用いたコンクリートの強度特性,耐久性(塩化物イオン浸透性,硫酸塩劣化に対する抵抗性等)について,各種の室内試験および実環境での暴露試験等を基に評価を行いRCブロックの適用の可能性を明確にした.また,上記のコンクリートと,日本国内のコンクリートとの耐塩害性能の比較を行った.