2021 年 77 巻 2 号 p. I_613-I_618
北海道北東部に位置するコムケ湖でアマモの呼吸と光合成を考慮したDIC水平分布について検討した.従来のSAV model(Submerged Aquatic vegetation model)は,湖等の大規模計算を行う際に,アマモの本数が多いため,計算時間が膨大になるという欠点を有していた.そこでまず,実現象にSAV modelを適用するために,複数の水草(Submerged Aquatic vegetation: SAV)を1本で代表させるSuper SAV modelの再現性の検討を行った.流速分布と拡散係数の分布を比較することによって再現性を検討したところ,十分な再現性を確保したうえで,計算時間の大幅な短縮に成功した.さらに,実現象へSuper SAV modelを開発・適用し,呼吸と光合成の効果を考慮することで,DICを高精度に再現できる可能性を示すことができた.