2021 年 77 巻 2 号 p. I_721-I_726
海底地盤のN値や土質定数を取得するための調査では,自己昇降式作業台船(SEP船)等を必要とし,気象海象の影響を強く受けることから,コーン貫入試験のような簡便かつ短期間で実施可能な調査方法が求められている.コーン貫入試験は,経験的に得られた換算式による土質定数の推定が可能であるものの,土質や場所によって換算式の選定や換算式に用いるパラメータの微調整が必要となる.本研究では土質定数(N値,Fc)の推定精度を高める手法として,人工知能技術(AI)の活用による推定手法の適用性を検討した.検討結果から,AIを用いることで推定精度の向上を見込めることが示唆されたものの,AIで推定する際は,推定する地点における数点のコーン貫入試験結果を取得し,事前に学習する必要があることがわかった.