2019 年 75 巻 1 号 p. 59-67
わが国におけるアスファルト混合物の再生の歴史は古く,すでに何度か繰り返し再生された再生アスファルト混合物も使用されているものと考えられる.再生アスファルト混合物の使用率は年々上昇しており,持続的にリサイクルをしていくためには繰り返し再生を前提とした再生利用方法の確立が必要である.そこで,持続可能なアスファルト再生技術の確立を目的に,組成の異なる複数の再生用添加剤を用いて繰り返し促進劣化と再生を行い,再生アスファルトおよび再生アスファルト混合物の性状の把握を行った.その結果,繰り返し再生が進むと軟化点が上昇しやすく,これを用いた再生アスファルト混合物は,高温時に破壊しやすいことが分かった.また,芳香族分が多い再生用添加剤は,繰り返し再生しても軟化点の急激な上昇が起こりにくいことが分かった.