抄録
多様な施設が設置されている空港では,地盤が液状化した場合,様々な施設が機能しなくなることが懸念される.特に,地震後において平坦かつ所定の支持力が要求される滑走路では,液状化による地盤変状に伴う不等沈下等の被害が予測されるが,被害が局所的であっても全面的に供用ができない可能性があると考えられる.滑走路における局所的な変状や不同沈下量を予測するためには,事前に地盤の状況を詳細に把握しておく必要があるが,敷地内において平面的に点の調査であるボーリング調査では限界がある.そこで,本論文では,滑走路地盤の液状化調査を目的に,既存ボーリング調査結果の補間手法として幾つかの物理探査を実際の滑走路地盤で実施し,その結果を用いた簡易検討を実施した.