2011 年 67 巻 3 号 p. 539-544
歩行外力は個人差が大きいと予想され,たとえば体格の異なる男女では歩行外力も含めた歩行特性は大きく異なる可能性がある.歩行外力を厳密に測定するには特別な実験装置が必要となることから,多くの歩行者を対象として数多くの歩行特性データを収集するためには,より簡単で簡便な算定法の開発が望まれる.そこで,本研究では,歩行にともなう人体の加速度応答をFFTでスペクトル解析した結果(パワースペクトル)を用いて,歩行外力(鉛直と水平の衝撃力比)を算定する方法について検討した.その結果,本手法で算出した歩行外力には男女で体格差や個人差が認められたが,算定値は既往の測定値と非常に良く一致した.