霊長類研究 Supplement
第25回日本霊長類学会大会
セッションID: P-22
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ポスター発表
霊長類の精巣におけるアンドロゲン受容体の分布
*花本 秀子中野 まゆみ榎本 知郎松林 清明
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抄録
テストステロン(T)は主に精巣の間質細胞から分泌されるホルモンで,男性ホルモンあるいはアンドロゲン(A)とも言われる。その作用は第二次性徴発現や筋肉増強など多岐にわたるが,その作用発現のはじめにTがA受容体(AR)と結合することが必要である。それゆえARをもつ器官はAの標的器官と言われ,精巣もその一つである。
われわれは,これまで霊長類の精巣の比較研究を行い,構造が非常に多様であり,各種の繁殖戦略を反映していることを示してきた。一方動物によって精巣の構造に差があるにも関わらず,ARはセルトリ細胞にあり精子形成に関わると言われている。しかしヒト以外の大型類人猿を対象にした精巣内のARに関する詳細な検討はなされていない。
そこで今回ARの精巣における分布を免疫組織化学的に調べ,複数の霊長類間で比較した。精巣はヒト,チンパンジー,ゴリラ,オランウータン,ニホンザル,カニクイザル,アカゲザルの死体から得たものを用いた。精巣組織はホルマリン固定後,パラフィン切片を作成した。ARに対する一次抗体としてAR(N-20, Santa Cruz Biotechnology)を用い,ABC法で免疫染色した。
AR陽性部位は,精細管における支持細胞で精子形成に関わるセルトリ細胞,精細管を取り囲み血液精巣関門の構成要素の一つである筋様細胞,間質細胞に観察され,動物により異なった。これらのAR陽性部位を指標に精巣組織を系統的に検討したところ興味ある結果が得られたので報告する。
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© 2009 日本霊長類学会
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