2013 年 69 巻 2 号 p. 329-334
駅前の歩道橋と遊園地内に架設された人道吊橋を対象として振動計測を行い,鉛直振動と水平振動に対する歩行者と静止者の振動感覚について検討した.駅前の歩道橋に対する実験から,鉛直振動については,静止時の方が足踏み時よりも明らかに振動感覚が敏感になっていること,また,遊園地内に架設された人道吊橋に対する実験から,水平振動に対しても,鉛直振動と同様に,静止時の方が足踏み時や歩行時よりも明らかに振動感覚が敏感になっていることがわかった.この結果を踏まえ,水平振動に対しては,静止時と歩行時(足踏み時)のそれぞれについて振動感覚と加速度の関係式を提示した.