抄録
成田空港の誘導路には,既存施設等の制約から,その一部に合成床版形式の橋梁構造が採用されている.橋梁形式の誘導路は世界的にも事例が少なく,現状では設計手法が確立されているとは言い難い.このため,設計においては道路橋の設計手法が用いられたが,FEMによる検証とともに,コンクリート床版については実規模大供試体を用いた押抜きせん断試験により床版の安全性を確認した.さらに,実機を用いた載荷試験により,応力状態を検証し,本橋の安全性を確認した.またコンクリート床版内及び主桁には建設時から計測器が設置され,継続的計測により,航空機走行時のひずみ挙動等が確認されている.本報告では,誘導路橋梁への複合構造形式の適用事例,一連の実験等から得られた知見等を紹介する.