土木学会論文集A1(構造・地震工学)
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和文論文
車両走行による凍結防止剤の飛散特性
秦 聡一朗白土 博通野口 恭平八木 知己
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2017 年 73 巻 1 号 p. 195-205

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抄録

 構造物を効率的に維持管理するためには,劣化因子の挙動を実測ではなく数値解析による推定が有効である.本稿では,凍結防止剤の車両走行による巻き上げに起因する塩分の分布特性を推定した.直方体でモデル化した車両が無風時に50 km/h及び80 km/hで走行する際は,車両左右端から車両横方向に車幅の1.5倍程度まで,また鉛直方向には地面から車高の1倍程度まで飛散することが確認できた.さらに,地上10mで風速10 m/sの横風が50 km/hで走行する車両に作用すると,横風風下側に車幅の5.5倍以上の範囲まで,また鉛直方向には車高の2倍以上まで飛散することが明らかとなった.以上から,凍結防止剤の飛散による塩分供給の可能性を考慮した設計や維持管理を行う必要があるといえる.

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© 2017 公益社団法人 土木学会
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