2018 年 74 巻 4 号 p. I_818-I_826
平成28年熊本地震で生じた道路橋の被害は,広い範囲で多数発生しており,様々な調査が実施されてきている.本検討では,道路橋の耐震性の向上による社会経済効果等の分析に用いる基礎資料とするため,熊本地震により被災した道路橋について,耐震設計の適用基準,橋長,損傷部位及び落橋防止対策に着目し,地震動や被災度との関係を整理し,統計分析を行った.その結果,複数径間となることにより損傷の発生率が大きくなること,道路橋被害は支承の損傷が大半を占めること,大きな地震動を受けることにより被災度も大きくなること等が統計的に明らかとなった.