2019 年 75 巻 3 号 p. 320-331
本論文は,金属溶射を施したフィラープレートを有する高力ボルト摩擦接合継手に関する研究である.本研究では,同継手における適切なボルト軸力が期待できるナット回転量およびそのすべり耐力を明確にすることを目的に実施した実験的研究である.本実験では,金属溶射を施した試験体を用いて,導入軸力試験およびリラクセーション試験を行い,リラクセーション後も設計ボルト軸力を満足するナット回転量を設定した.次に,設定したナット回転量ですべり耐力試験体を作成し,リラクセーション試験およびすべり耐力試験を実施し,同継手における適切なボルト軸力が期待できるナット回転量を提案した.