2021 年 77 巻 4 号 p. I_47-I_60
構造物の等価固有周期や降伏震度といった振動特性の確率分布に応じた地震時応答の確率分布を簡易かつ適切に推定する方法を構築した.具体的には,ある地震動に対する非線形応答スペクトルを簡易に評価したうえで,そこに振動特性の確率分布を乗じることで応答塑性率の累積分布関数や確率密度関数を算定する手法を構築した.提案手法では,等価固有周期や降伏震度の違いに対する非線形応答の違いを陽な形で考慮しているため,従来から行われている点推定法に比べて,振幅特性,周期特性が異なる種々の地震動でも地震時応答の確率分布を安定的に推定可能である.また,モンテカルロシミュレーション等の多数の計算は不要であるため,多数の土木構造物群を対象とした地震時の損傷評価への活用が期待できる.