2022 年 78 巻 1 号 p. 34-46
鋼橋の高力ボルト摩擦接合継手では,架設や製作上の制限と製作精度との兼ね合い等により,標準ボルト孔径では施工が困難な場合がある.道路橋示方書では施工上やむを得ない場合に,呼び径+4.5mmまでの拡大孔が許容されているが,さらに余裕が必要な場合には性能確認試験の結果などを踏まえ,より大きな拡大孔や長孔が適用されることもある.一方で,欧米の基準ではすべり耐力の低減を考慮することで拡大孔や長孔の適用が認められている.本研究では,道路橋示方書に準拠して接合面に厚膜形無機ジンクリッチペイントを塗布し,拡大孔や長孔を適用した高力ボルト摩擦接合継手について,鋼材の板厚や材質を変化させた試験体のすべり試験および有限要素解析を行い,すべり係数の低減係数を提案した.