抄録
東日本大震災でも明らかになってきているように,震災からの復旧・復興期においては,膨大な震災廃棄物の迅速な処理が重要な課題となっている.震災廃棄物処理の問題では,居住地域からの撤去の過程(流れ)を解決しなければ,地域の復旧・復興も致命的に遅れ,結果として,地域住民の生活再建や健康面・衛生面へも大きな影響を及ぼすことも危惧されている.特に高齢者等の災害時要援護者の心身両面への負担の大きさは,過去の震災に対する事例研究でも明らかである.
本研究では,首都直下地震を対象として,復興期における『地域の生活環境』や『地域の安全・安心』に配慮した震災廃棄物の迅速な処理の方法論と処理に関わる評価指標について提案するものである.