抄録
現在,高度経済成長期に建造された橋梁は全橋梁の約40%を占め,橋梁の老朽化に伴い,部材連結に使用された高力ボルトの軸力低下が懸念される.腐食や疲労によって劣化したボルトを発見するためには定期的な診断が不可欠であり,点検方法の一つに打音法が挙げられる.打音法は,点検対象をハンマーで叩いた際に発生する音を熟練者が耳で聴くことによって診断する.しかし,この方法では技術者の経験や勘に頼ることが多く,熟練者の不足などの問題点があるため,より正確かつ効率的な診断方法が求められている.そこで本研究では,高力ボルトを締結した試験体を用いて,ハンマーで叩いた際に発生する打音の波形データから周波数データを取得・特徴量を抽出し,パターン認識手法で軸力を推定する方法を提案し,その有効性を検証した.