2014 年 70 巻 2 号 p. I_99-I_106
本研究では,大規模災害時における鉄道の運転再開のあり方を検討する一助として,鉄道の運転停止や再開などの状況に基づきOD間(Origin-Destination:起終点間)の接続性を判定した上で,目的地への到達可能率を地域別に算定し,その結果を地理情報システム(GIS)上に表示するシステムを構築した.システムの特長として,経路選択肢集合の設定の際に鉄道ネットワークの代替性を考慮できる点,及びトリップ目的毎のODパターンを反映できる点が挙げられる.そして,構築したシステムの実用性を確認するため,東日本大震災時の首都圏鉄道の運転再開過程を対象し,地域別の帰宅可能率を算出するシミュレーションを行うとともに,災害時における運転再開線区に関する若干の検討を試みた.