抄録
近年多発する豪雨災害や,対策が急がれる南海トラフ巨大地震,首都直下地震などの大規模災害に備え,多くの自治体では,ICTを活用した防災情報共有システムの構築・運用が進められている.しかしながら,これらの情報集約・伝達等に関する取組は,組織内における改善には寄与しているものの,他機関との横断的な流通・活用までには至っていない.本研究では,自治体における防災部門と医療部門の情報システムについて,それぞれの収載項目の分析を通じ,業務における位置づけの現状を明らかにすると共に,他機関との横断的な情報流通・活用を実現するための課題を抽出し,両部門の情報共有の解決策を提示する.