抄録
東日本大震災では,本来,安全であると考えられていた学校において被災するという想定外の事態が発生した.このような想定外の事態に対応していくには,学校教職員が,突発的な事故や災害に対して適切な判断,意思決定,行動できる能力(防災コンピテンシー能力)を備えるための人材育成が必要である.しかし,防災コンピテンシー能力の具体的特徴は明らかにされておらず,効果的な人材育成を実施するためには,何が防災コンピテンシーの向上に有効なのかを検討しなければならない.
本研究では,災害状況再現・対応能力訓練システムとEMRを用い訓練体験者の眼球運動の測定・分析を行い,防災知識の差において被験者の眼球運動の違いや特徴を明らかにし,眼球運動の分析が防災コンピテンシーの特徴分析に結びつくかの検討を行う.