2020 年 76 巻 2 号 p. I_155-I_164
平成30年7月豪雨において広島県内の保育所では複数の施設で土砂流入や浸水のため,他の施設での応急保育が行われた.この豪雨で浸水等の被害を受け,保育継続に問題が生じた広島市,安芸郡坂町,呉市,三原市の5つの保育施設と広島市役所を訪問し,豪雨災害時の安全管理や保育再開に向けた取り組みに関した聞き取り調査を行った.4保育施設では園舎再建や大規模修復が必要となり,複数の施設を利用した分散保育,他の保育所を利用した合同保育等が行われた.被災時の早期再開と継続が必要とされる保育所では被災を前提とした保育継続計画を検討しておくことの重要性について明らかにした.