2020 年 76 巻 2 号 p. I_19-I_33
近年の自然災害の増加や災害の大規模化に伴い,住民等への説明の必要性から橋梁長寿命化修繕計画における自然災害発生の影響を把握しようとする動きがある.自然災害による外力は設計時点では考慮されてはいるものの,維持管理期間中に外力や橋をとりまく環境条件等が変動する可能性がある.また,該当する橋が自然災害に対してどの程度の耐力・余裕をもっているのかは明確に説明できる状態にはない.本研究では,橋梁長寿命化修繕計画において考慮されるべき自然災害影響要因を考察する.そして,自然災害に対する耐力を表現する指標としてRFND(Rating Factor with Natural Disasters)を定義し,主な自然災害に対する耐力を判定できる指標として活用し既存橋梁を区分する.橋ごとにRFNDを試算し,特徴を把握するとともに,グループ化することで既存橋梁の現状分析を行う.最後に,RFNDの利用方法と長寿命化修繕計画との関係について考察する.