2020 年 76 巻 2 号 p. I_67-I_74
本研究は,軟弱地盤において設計時点では不測であった荷重変動によりトンネルに変状が生じ補強を実施した既設のシールドトンネルを事例として仮想設計を行い限界状態設計法の効果について検討を行ったものである.具体的には許容応力度設計法と限界状態設計法による耐荷性能の照査結果を比較した.まず,当初荷重について既設構造の仕様に対する照査の結果,許容応力度設計法は耐荷性能を満足したが,限界状態設計法は耐荷性能を超過し鉄筋量の増加が必要となり,両設計法の照査の結果は相反する結果となった.つぎに検討対象のトンネルの変動荷重が推定されていたことから,この荷重に対し耐荷性能の照査結果を比較した結果,限界状態設計法による設計は不測の荷重変動に対して有効な設計法であることが示された.