日本計算工学会論文集
Online ISSN : 1347-8826
ISSN-L : 1344-9443
粒子径分布を有する粉粒体に対するDEMシミュレーションのGPU高速化手法
西浦 泰介阪口 秀
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 2010 巻 p. 20100008

詳細
抄録
粒子径分布を有する粒子群を扱う個別要素法 (DEM) を,GPUなどの共有メモリ型超並列計算機を使用して高速計算する時に,粒子径分布が広くなるにつれてメモリ使用量の急激な増加や,接触候補ペアの作成効率が低下する問題が有った.本研究では粒子径分布が広い粒子群を扱うDEMを,共有メモリ型並列によって高速化するために,メモリの書き込み競合を回避しつつ,1) 粒子番号を粒子径でソートして接触候補ペアリスト作成時のセル探索を効率化する方法と,2) 接触力の総和計算で用いる接触力参照表に必要なメモリ使用量を抑制する方法を開発した.その結果,最小粒子径と最大粒子径の差が10倍もある多成分系粒子群の振動充填に対するDEMであっても,単成分の場合と同程度のメモリ使用量に抑えながら,CPU計算よりも遥かに効率的なGPU計算を可能にした.
著者関連情報
© 2010 The Japan Society For Computational Engineering and Science
前の記事 次の記事
feedback
Top