日本小児看護学会誌
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母親がとらえる入院による子どもの生活上の変化 : 生活リズム、睡眠、排泄に焦点を当てて
中村 和明
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2012 年 21 巻 2 号 p. 64-71

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抄録

入院している子どもの母親が、入院による子どもの生活上の変化をどのようにとらえているか明らかにすることを目的とし、母親20名を対象に半構成的面接を行い、質的帰納的方法を用いて分析した。その結果、母親は、子どもの病気の症状改善や、生活リズムの確立、入院当初より眠れるようになったこと、排泄行動の自立などを肯定的な変化として、生活リズムが不規則になったこと、熟睡できなくなったこと、睡眠時間の減少、排泄行動の退行などを否定的な変化としてとらえていた。母親が子どもの生活上の変化を肯定的にとらえるためには、同室児との関わりを促すこと、子どもの生活習慣行動に着目して、成長し自立できるようになったことを母親にフィードバックしていくこと、睡眠環境や病棟設備への配慮、乳幼児には一定した日課を過ごせるようにし、保育園や学校に通っていた場合はその時の日課を考慮し、病棟の日課も臨機応変に考えることが必要である。

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© 2012 一般社団法人 日本小児看護学会
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