日本小児看護学会誌
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高次脳機能障害のある子どものリハビリテーション専門施設から学校生活への移行を支援する看護実践
市原 真穂小室 佳文荒木 暁子
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2016 年 25 巻 2 号 p. 74-80

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抄録

 高次脳機能障害の子どもへの看護実践とプロセスを明らかにし、復学支援の示唆を得ることを目的に、看護師8名に半構成的面接を行い、コードを集積、抽象度を高めた。その結果、102サブカテゴリ、23カテゴリ、9大カテゴリを抽出した。看護実践は、【障害特性の見極めによる復学を視野に入れたケア】、【家族の障害受容過程に配慮したケア】、【高次脳機能障害のある子どもへの看護が確立されていない中で積み上げてきた看護実践】、【専門医療施設看護師の使命感による復学支援の仕組みつくりへの関与】、【細やかな配慮による機能的な多職種連携の促し】、【試験登校前後の関わりによる本人、家族、多職種、学校関係者への働きかけ】、【地域や学校の状況と子どもと家族の思いを理解した意思決定支援】、【復学後に生じる困難の理解と予測】、【退院後のケアの継続性を意図した働きかけ】であった。復学への多職種支援を方向付ける看護実践の示唆を得た。

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© 2016 一般社団法人 日本小児看護学会
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