2019 年 28 巻 p. 19-26
本研究の目的は、小児看護学実習を受け入れている病棟に勤務する臨地実習指導者としての経験がない看護師の、小児看護学実習に対する認識と、その認識に関連する要因を分析することである。協力が得られた全国178医療機関の、臨地実習指導者としての経験がない看護師359名を分析対象とした。対象者は、小児看護学実習に対して『子どもや家族のケア効果』を最も強く、次いで『学生指導に対する困難感』を強く認識していた。重回帰分析の結果、対象者は、 「業務量」 や 「子どもが嫌がる処置への対応」 といった看護師側に向いたストレスを感じる者ほど、看護師主体に『いつもどおりにできない負担感』を感じていた。一方で、 「子どもと家族への対応」 や 「難しい対象へのかかわり」 といった子どもと家族に向いたストレスを感じるほど、子どもと家族中心に『子どもや家族へのケア効果』や『学生がもたらす摩擦』を感じていた。