日本小児看護学会誌
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研究
思春期・青年期1型糖尿病患者の成人型医療へのトランジションにおけるレディネスの実際
野本 美佳薬師神 裕子
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2019 年 28 巻 p. 78-86

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抄録

 本研究の目的は、思春期・青年期1型糖尿病患者の成人型医療へのトランジションにおけるレディネスの実際を明らかにすることである。12歳~20歳の1型糖尿病患者27名からトランジションにおけるレディネス、病気の受け止め方、糖尿病自己効力感について回答を得た。レディネスの評価には、Am I ON TRAC? For Adult Care Questionnaire (Saewyc, Paone, & BC Children’s Hospital ON TRAC Transition Initiative, 2012) を使用した。その結果、レディネスが形成されていたのは5名 (18.5%) のみであった。レディネスの 「知識」 と 「行動」 得点ともに、大学・専門学校生よりも高校生が高く、学習機会がなければ、年齢が上がってもレディネスは獲得できないことが示唆された。また、患者のレディネスの 「知識」 と 「行動」 、病気の受け止め方、糖尿病自己効力感は相互に関係し、特に糖尿病自己効力感と相談・判断に関する行動との相関が強いことが明らかとなった。

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© 2019 一般社団法人 日本小児看護学会
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