2023 年 32 巻 p. 51-58
本研究は、子ども医療電話相談事業 (#8000事業) を担う看護師の看護のわざを明らかにすることを目的とし、小児看護経験10年以上で相談員の実務経験4年以上の看護師4名に半構成的面接を行い、質的記述的研究を行った。その結果、看護のわざとして【家庭の中で子どもの置かれた状況を見極める】、【親がとらえることを同じように可視化する】、【仕事と子育ての労をねぎらう】、【子どもの心配事に照準を合わせる】、【実行可能な対応に切り替える】、【家で看る親に効果的な伝え方をする】、【安心して家で看る親の気持ちを整える】、【親の後ろ盾となり受診を勧める】を抽出した。相談員は、8つの看護のわざを組み合わせながら、親の気持ちに寄り添い力を見極めて、子どもの安全が守れるよう支援していた。このことは、親が子どもを育む家庭での看護力につながる看護実践であることが示唆された。