日本臨床免疫学会会誌
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研究奨励賞セッション
KS-2 IgG4関連涙腺・唾液腺炎の病態形成における濾胞ヘルパーT細胞の機能的役割
亀倉 隆太高野 賢一山本 元久伊藤 史恵矢部 勇人川田 耕司高橋 裕樹氷見 徹夫一宮 慎吾
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2017 年 40 巻 4 号 p. 292b

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抄録

【目的】IgG4関連涙腺・唾液腺炎(IgG4-DS)は,涙腺・唾液腺の持続性腫脹と高IgG4血症,局所でのIgG4陽性形質細胞の浸潤を特徴とする疾患である.近年,IgG4産生に関連して,濾胞ヘルパーT(Tfh)細胞と本疾患との関連を示唆する報告が散見されるが,病変部位でのTfh細胞の機能的役割は不明である.【方法】IgG4-DS患者の顎下腺組織からTfh細胞(CD3+CD4+CXCR5+PD-1hi)を分離し,DNAマイクロアレイやリアルタイムPCRによる遺伝子発現解析に加え,B細胞との共培養の系でIgG4産生について検討した.比較対照としてヒト口蓋扁桃由来のTfh細胞を用いた.【結果】IgG4-DSの顎下腺組織中に存在するCD4陽性T細胞の多くはCXCR5陽性,PD-1強陽性のTfh細胞であり,口蓋扁桃由来のTfh細胞と比較して,Tfh細胞関連分子(BCL6, CXCL13, IL-10)の発現上昇を認めた.また,IgG4-DSの顎下腺由来Tfh細胞とB細胞との共培養で,口蓋扁桃由来のTfh細胞とB細胞との共培養と比較して,より効率的にIgG4の産生が誘導された.さらにDNAマイクロアレイによる解析でIgG4-DSの顎下腺由来のTfh細胞ではCD8A, Granzyme Kといった細胞障害性T細胞関連遺伝子の発現上昇を認めた.【結論】今回の結果から,IgG4-DSの病態形成に強力な抗体産生誘導能と細胞障害能を併せ持つ特殊なTfh細胞が関与している可能性が考えられた.病変部位におけるTfh細胞が,IgG4-DSの新規治療法を開発する上での治療標的となる可能性が示唆された.

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© 2017 日本臨床免疫学会
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