日本臨床免疫学会会誌
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感染症を合併した全身性エリテマトーデス
予後予測因子の検討
湯原 孝典坂内 通宏竹村 博之松村 高幸山根 一秀柏木 平八郎
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1990 年 13 巻 1 号 p. 43-48

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抄録

感染症合併時の全身性エリテマトーデス(SLE)の予後を予測するうえで参考となる知見を得るために, SLEに合併した感染症が治癒した群(治癒群)と感染症合併後に死亡した群(死亡群)における諸検査所見を比較検討した.対象は, 1976年から1986年までに筑波大学附属病院に入院した121名のSLE患者で, SLEの活動期に合併した細菌,真菌または原虫感染症26例であった(ウイルス感染症は除外した).死亡群には,敗血症や肺炎などの重篤な感染症が多かった.さらに,死亡群には感染症合併時に血清補体価の低下傾向や白血球減少を呈する症例が多かった.これらの補体や白血球の変動は,活動期のSLEと重篤な感染症のいずれでも出現しうるものである.したがって,感染症を合併したSLEの活動性の評価には注意を要するものと考えられた.また,補体や白血球の変動は予後を予測するための指標の1つになるものと考えられた.

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