抄録
症例は23歳女性. HTLV-Iキャリアであり,幼少時より毛孔性紅色枇糠疹(pityriasis rubra pilaris, PRP)を認めて加療を受けていた. 1990年11月頃(16歳時)より発熱,関節痛を認めるようになり,抗核抗体と抗RNP抗体が陽性であったことから膠原病が疑われたが確診には至らず, unclassified connective tissue disease(UCTD)と不明熱の診断のもとに経過観察されていた. 1991年2月発熱は各種の抗生物質の投与に不応性であったが,ステロイド剤の投与(プレドニゾロン換算40mg/日)により改善を認めた. 1996年4月9日より再び,悪寒を伴う発熱が出現し,血液培養にてEnterococcus faecalisが検出され,敗血症と診断された.同年6月4日より発熱に加えて,痙攣発作,播種性血管内凝固症候群(DIC)を生じ,重篤な臨床経過を辿ったが,抗生剤の変更,ステロイド剤の増量,抗凝固剤の投与にて軽快した.本例はPRPとUCTDを合併した稀な一例と考えられた.