日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌
Online ISSN : 2433-7854
Print ISSN : 2433-7846
症例
歯科従事者のメタクリルレジンによる接触皮膚炎
岡村 玲子峠岡 理沙尾藤 三佳上田 幸子益田 浩司加藤 則人羽倉 麻美
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2020 年 3 巻 2 号 p. 337-341

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抄録

 45歳,歯科助手の女性。初診の1ヵ月前から歯科助手の仕事をはじめ,同時期より勤務後に右手第1~3指に限局した紅斑が出現した。歯科医院でレジンの入った容器を洗浄する際,手袋をして右手1~3指を用いてレジンを拭い取っていた。レジンの接触皮膚炎を疑いパッチテストを行った。レジンシリーズと,歯科医院で使用しているレジンのポリマー(1%pet),モノマー(1%pet)を用いた。レジンシリーズのうちethyleneglycol dimethacrylate(EGDMA),2-hydroxyethyl methacrylate(2-HEMA)と,歯科医院のレジンのモノマーで陽性反応を認め,レジンによる接触皮膚炎と診断した。レジンの接触皮膚炎は低分子のモノマーをアレルゲンとし,使用する指の紅斑,腫脹など特徴的な皮疹を呈する。またレジンは各種の手袋に浸透する性質をもっているため,扱いの際には注意が必要である。

(日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌,3(2):337-341,2020)

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© 2020 一般社団法人 日本皮膚免疫アレルギー学会
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