日本臨床プロテオーム研究会要旨集
第1回日本臨床プロテオーム研究会
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研究発表
SELDI-QqTOF-MSと教師付機械学習法による膵臓がん血漿腫瘍マーカーの開発
*本田 一文林田 康治広橋 説雄山田 哲司
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p. 22-

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抄録
目的】早期診断が困難な膵がんのスクリーニングに使用できる診断法の開発を目的として、高分解能4重極ハイブリット質量分析装置を用いたSELDI-QqTOF-MS(surface-enhanced laser desorption /ionization high-resolution hybrid quadrupole time of flight mass spectrometry)法で膵がん患者と健常対象者の血漿プロテオーム解析を行った。 【方法と結果】学習セット142例(膵臓がん72例、健常者72例)の解析の結果から、両者を感度97.2%、特異度94.4%で判別する4本のペプチドピークを抽出した。さらに学習セットとは異なる78例の検証セットを用いて盲検したところ、感度90.9%、特異度91.1%で診断することができた。さらにCA19-9との組み合わせにより早期膵臓がんを含めて100%検出することが可能であった。 【まとめ】本診断法は、定量性と再現性に優れ、またCA19-9とは相補的であるため、膵がんのスクリーニングに応用できる可能性があると考えられた。今後大規模な多施設共同研究にてその有用性を検証する計画である。
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