2025 年 13 巻 1 号 p. 75-78
症例は70歳,男性。X年10月に糖尿病を原疾患とする慢性腎不全に対して妻をドナーとする血液型不適合生体腎移植を施行。移植腎は右腸骨窩に移植し,尿管の吻合は膀胱外吻合で行った。術後の経過は良好であったが,腎移植8ヵ月後に血清クレアチニン値(sCr)が2.68mg/dLまで上昇したことを契機に移植腎尿管の吻合部結石と診断された。経皮的腎瘻造設術に続けて内視鏡的砕石術を複数回試みたが,尿管の蛇行と結石の嵌頓が強く困難を極めたため,尿路再建の方針とした。移植尿管膀胱吻合部は周囲組織と高度に癒着していたため,結石ごと尿管膀胱部分切除を行い,移植尿管断端を固有尿管に端側吻合した。術後4年経過した現在まで結石の再発は認めていない。移植腎尿管結石に対する尿路再建術の報告はまれであり,今回経験した移植尿管固有尿管吻合術の方法を含めて報告する。