日本臨床腎移植学会雑誌
Online ISSN : 2760-1714
Print ISSN : 2187-9907
原著
腎移植患者のシクロスポリンの投与量に及ぼす遺伝子多型の影響
田島 進西郷 健一圷 尚武丸山 通広大月 和宣長谷川 正行青山 博道松本 育子渡邉 好造
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2015 年 3 巻 1 号 p. 58-61

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抄録

【目的】シクロスポリン(CyA)内服腎移植症例において薬剤投与量の経時的変化および血中濃度と薬剤代謝関連遺伝子の多型について解析を行った。【方法】2004年6月から2010年6月までに当院で腎移植を行いCyAが投与された76症例を対象とし,周術期,移植後3ヵ月・6ヵ月のCyAの投与量,トラフ値を調べ,遺伝子多型CYP3A4CYP3A5MDR1 exon21, 26について解析し,遺伝子多型と投与量,血中濃度の経時的変化について検討した。【結果】移植後3ヵ月のCyAの投与量は周術期の約58%,移植後6ヵ月は約54%に減少していた。CYP3A5に関しては,移植後3ヵ月のトラフ値はWild type(W),Heterozygous type(H),Mutant type(M)すべての群で至適トラフ値にコントロールされていたが,至適トラフ値維持のための投与量はWがH,Mに比較し投与量が高い傾向がみられた。MDR1に関してはいずれも差はみられなかった。【結論】今回の検討では,CYP3A5の遺伝子多型がCyAの代謝に与える影響について明らかではなかったが,今後さらなる検討が必要と考えられる。

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