【目的】本研究の目的は,心理面の観点から肥満腎移植患者の体重増加要因の分析と,指導方法の糸口を探ることである。【方法】腎移植後外来通院患者130名にKDQOL-SF,STAI,TTMを調査した。肥満1度以上の患者においては,運動機能検査を行った。【結果】KDQOL-SFの身体的健康の項目は,健常人と差はみられなかったが,精神的健康の項目は,国民標準値より低値を示した。また不安状態は身体的影響ではなく,精神的要因が強く関連していた。肥満腎移植患者は生活習慣改善の必要性を感じながらも,実施していない症例が多数であった。不安状態は非肥満腎移植患者に比べ低値を示した。【考察】腎移植患者の精神的健康はさまざまな不安のため,良好でなかった。肥満腎移植患者は不安を感じにくい性格特性が具体的行動を引き起こさず,身体能力低下,肥満に繋がっている可能性がある。【結論】精神・心理面の評価を行い,過去の治療経験などもかんがみて,生活指導を行うことが望ましい。