日本臨床腎移植学会雑誌
Online ISSN : 2760-1714
Print ISSN : 2187-9907
原著
当院における高齢生体腎移植患者非生存・生着例の傾向
青山 博道西郷 健一長谷川 正行丸山 通広圷 尚武大月 和宣松本 育子伊藤 泰平剣持 敬松原 久裕
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2016 年 4 巻 2 号 p. 190-195

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抄録

【緒言】高齢生体腎移植の成績を伸ばす目的に,経過中に死亡した高齢レシピエント症例の死亡リスク因子を検討した。【対象・方法】2004年4月〜2015年12月に生体腎移植を行った60歳以上の高齢レシピエント62例を生存群49例と死亡群13例に分け,術前・術中・術後因子を比較。また死因別移植後生存期間を検討した。【結果】移植時年齢は生存群63.90±3.18歳に対し死亡群が66.92±4.66歳と有意に高く,透析期間も生存群3.35±3.42年に対し死亡群5.94±4.80年と有意に長かった。その他の因子は有意差を認めなかった。感染症・心血管系による死亡は移植後1年以内の死亡が多かった。【考察】高齢レシピエントの死亡リスク因子は手術時の年齢と長期透析である。術前適応評価や術前治療は長期透析患者の死亡原因となる「長期透析症候群」を念頭に置いて慎重に行うこと,また術後1年間の心血管系・感染症に関するIntensiveなフォローアップで合併症を回避することが高齢移植成績向上に繋がると思われた。

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