日本臨床腎移植学会雑誌
Online ISSN : 2760-1714
Print ISSN : 2187-9907
原著
腎移植後intact PTHと予後との関連
山川 貴史川口 武彦西村 元伸首村 守俊今澤 俊之横尾 隆青山 博道大月 和宣丸山 通広圷 尚武長谷川 正行西郷 健一
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2016 年 4 巻 2 号 p. 208-211

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抄録

【目的】三次性副甲状腺機能亢進症は腎移植患者の予後に関連することが知られているが,本邦でのデータは少ない。本研究では腎移植後のintact PTH(iPTH)と予後との関連について検討した。【方法】2005年から2011年に千葉東病院で腎移植を受けた症例で,移植後iPTHを確認できた52例を対象とした。移植後iPTHの中央値をカットオフとして高PTH群,低PTH群の2群に分け,総死亡,末期腎不全,Crの1.5倍化の複合エンドポイントをアウトカムとして両群を比較した。統計解析としてCox回帰分析を用い,年齢,移植前透析期間を調整変数とした。【結果】対象患者は男性23名,女性29名,年齢48±10歳であった。移植前の透析歴は7.9±6.5年であり,移植後のiPTHは中央値で188pg/mL(112~320pg/mL)であった。本研究の観察期間は中央値で101ヵ月(63~113ヵ月)であり,観察期間中のイベント数は,高PTH群と低PTH群でそれぞれ8例,5例であった。Cox回帰の結果として,単変量解析では,高PTH群が低PTH群に比べて有意に予後が悪かった[HR 3.7(95%CI 1.1-12.3);p=0.030]。一方で多変量解析では統計学的にマージナルな結果であった[HR 4.0(95%CI 0.97-16.8);p=0.054]。【結論】移植後iPTH値が患者予後にかかわる可能性が示唆された。本研究は後向き研究でありサンプルサイズも小さく,今後更なる検討が必要である。

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© 一般社団法人日本臨床腎移植学会
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