日本CT技術学会雑誌
Online ISSN : 2434-2750
Print ISSN : 2434-2769
原著
Dual-source dual-energy CT における仮想単純画像の解析精度と誤差因子
影山 凌太佐藤 和宏茅野 伸吾高野 博和齋藤 春夫
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2021 年 9 巻 1 号 p. 6-

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抄録

重要な要点

1) VNC 画像のCT 値の精度には,DE 比(高管電圧画像のCT 値に対する低管電圧画像のCT 値比)が影響する.

2) ヨード濃度が10 mg/ml を超える領域では,VNC 画像のCT 値の精度の向上のために線質硬化補正が必要.

3) ヨード濃度が10 mg/ml 以下の領域では,線質効果補正を行ってもCT 値の精度向上は見込めない.

4) 収集管電圧の選択がCT 値の精度に与える影響は小さい.



要旨

【目的】3-material decomposition のアルゴリズムを推測することで,仮想単純 (VNC) 画像の解析誤差を抑制する方策を明示する.

【方法】1.0~40 mg/ml の9 種類の濃度に希釈した造影剤を直径20 cm のファントムに挿入しDual energy 撮影した.管電圧の設定は80-Sn140 kV および100-Sn140 kV(Sn は錫フィルタ)とした.解析用画像を線質硬化補正有りの関数 (D33s) と無しの関数 (D30s) にて再構成した.解析時の線質硬化補正であるIodine BHC 有りと無しでそれぞれの画像を解析し,VNC 画像の希釈造影剤領域のCT 値を計測した(以下,実測値).また,アルゴリズムを推測してVNC 画像の希釈造影剤のCT 値を算出し(以下,計算値),実測値と比較した.解析用画像から高管電圧画像のCT 値に対する低管電圧画像のCT 値比(以下,DE 比)を算出した.

【結果】Iodine BHC はCT 値の精度に影響しなかった.計算値と実測値はすべての濃度域でおおよそ一致し,10 mg/ml を超える濃度域ではほぼ一致した.D30s では高濃度域ほど誤差は大きくなり,最大誤差は80-Sn140 kV で46.6 HU,100-Sn140 kV で58.2 HU であった.D33s では線質硬化の補正効果により最大誤差は80-Sn140 kV で6.9 HU,100-Sn140 kV で13.2 HU であった.解析用画像のDE 比が装置既定のDE 比に近いほど 実測値はゼロに近づいた.

【結語】VNC 画像の精度低下は,線質硬化現象や散乱線によって低管電圧の解析用画像のCT 値が低下したことに起因すると推測される.ヨード濃度が10 mg/ml を超える領域では,線質硬化補正を施すことでCT 値の精度が向上する.

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