2017 年 1 巻 Pre 号 p. 9-12
日本のポピュラー音楽を体系的に整理し、散逸しつつある映像、音源などを収集、蓄積している関西大学日本ポピュラー音楽アーカイブ・ミュージアムプロジェクトについて報告する。特に音楽映像に関しては1970年代から80年代を中心に既に約8,000本の非圧縮データによるデジタル化を行っているが、活動資金、ストレージなど様々な課題に直面している。
一方、アーカイブを利活用するためにはアーティスト名、作品名などのメタデータの整備は不可欠である。特に表記の揺れが生じやすいアーティスト名に関してはユニークなIDが求められる。そこで、主要な音楽関連団体と推進しているアーティストID付番及び異なるメディア・サービス間の連携を可能にする共通APIの提供を目的としてアーティストコモンズの活動を始めた。一方、音楽アーカイブの権利関係については権利者と目的に応じた許諾のあり方に関して丁寧に協議していくべきだと考えている。