2024 年 8 巻 1 号 p. 6-10
震災を過去という点での出来事ではなく、過去と現在を繋いだ線上での出来事として捉えられるよう、1923年に発生した関東大震災を題材に、過去と今をつなぐインターフェースを持つデジタルアーカイブを検討した。スクリーン投影型VRを採用し、震度分布、火災の燃え広がり、被災者の体験、渋沢栄一の避難ルート、被災写真のマッピング、そして震災前後の経済データをデジタル地球儀上に可視化したデジタルアーカイブを実装した。このデジタルアーカイブの実展示を通して、過去の震災が、私たちが今生きているこの場所で起こった出来事であると感じられる体験を提供する。